ハウスメーカーによって「坪単価」が違う理由とは
2019年09月11日
ハウスメーカーの広告で目にする坪単価という言葉がありますが、業者を探したり住宅商品などを選択する時、いくらで注文住宅を建てることができるか建築費用の比較に利用している人が多いです。ハウスメーカ-によって本体価格の出し方や外構費用などを含む範囲が異なることがあるので、坪単価が業者によって違う特徴があります。この単価は建物の延床面積1坪(約3.3m2)あたりに建築費用がいくらかかるか算出したもので、価格の出し方として一般的に、注文住宅の本体価格/延床面積(建物の床面積合計)=坪単価になります。例えば本体価格が2,000万円で延床面積が40坪の場合、2,000万円/40坪=50万円という出し方をするので坪単価50万円です。
ハウスメーカーの標準プランや施工例などの金額を延床面積で割ると、どのハウスメーカーが最も安く建築することができるか分かりますが、実はそうとは言いきれません。ハウスメーカーによって、この単価計算の方法が違うからです。
例えば坪単価を出すのに本体価格にプラスして照明器具やエアコンなどの費用が含まれている業者があれば、含めていないところもあります。外構費用などが含まれているケースもあり、本体価格にプラスされる範囲が違うので、同じ仕様や規模・間取りの家でもハウスメーカーでは単価が違うことが多いです。
ハウスメーカーによっては家本体の価格を延床面積ではなく施工面積で割るケースがあり、各階の床面積を足した面積が延床面積ですが、施工面積の場合玄関ポーチや吹抜けなどの延床面積には含まれない部分が加算されていることがあります。玄関ポーチなどは延床面積より大きな数字で割るので、同じプランだとしても単価は安くなる計算です。
坪単価の出し方については共通ルールがなく、メーカーによって算出方法が違うので複数のハウスメーカーでの建築費に関して高いか安いかを比較する材料にはできないでしょう。単価が上がったり下がったりするのは、同じ延床面積だと本体価格が高ければ高いほど単価は高くなります。本体価格が安ければ安いほど単価は下がる仕組みです。
本体価格に影響するのはデザインや設備などの価格になります。価格の安いシステムバスや外壁材などを使用すると、本体価格を抑えることができ、結果的に坪単価が低くなります。しかし設備や内装などのグレードが低くないのに、単価が低い家もあるでしょう。これは標準仕様として設備やドアなどの種類を絞り込んだり、事前に大量に仕入れておきコストを下げるといった工夫が行われているからです。ハウスメーカーを選ぶ際、坪単価で比較するより標準仕様にどのような設備が含まれているか、ドアなどの内装材や外壁材のグレードなども確認しておきましょう。ハウスメーカーの坪単価と工法一覧をまとめているサイトもあるので、業者を選ぶ際は参考にしましょう。